denim fabric strengthen
労働着として生まれた強度が高いデニムですが、長年履いているとどうしても生地が薄くなってしまいます。特にデニムの場合、ひざや股下といった部分にその傾向が顕著にあらわれます。生地補強は、そういった悩みを解消するためのメンテナンスサービスです。当店は他とは違う3つの特徴があります。
補強で最も必要なことは、適切な強度をもたせること。生地の弱り具合から着用シーンや履きグセなどの全体像をイメージし、箇所によってステッチを入れる間隔、量、方向を調整することで、普段履きに耐える適切な強度を作ります。針の太さが重要なのは、針穴が新しい裂けめにつながるからです。当店では、デニム縫製では通常使わない細い針を使用しながら、最大限生地の負担を軽減した補強リペアをおこないます。
強度が上がったデニムも、着心地が悪くては意味がありません。当店が補強の際に用いる当て布は、透けてしまうほどの極薄の生地。補強したことがわからないくらい、履き心地は変わりません。縫い目付近が薄くなる股下などは、一度解体して1枚生地の状態に。丁寧に補強し、その後また組み立てます。手間を惜しまない下準備が、履き心地を変えない秘訣です。
デニムは色落ちしていくことにより立体感が生まれ、無数の青が存在します。色落ちしたデニムの多くは淡色、間色、濃色、ベース色の4つの要素から出来上がっています。当店では色彩学を応用し、影響し合う複数色を想像しながら輪郭線を描き、調整を重ねて元のグラデーションを表現しています。見た目を変えずに補強することは、とても難しい事です。デニム生地の理解と色彩学を合わせた当店だからこそ、可能な補強です。
当店では、長期間の着用を目的とした生地補強サービスを提供しています。ただ5年、10年と履き続けていると、また生地は薄くなっていきます。革製品や木製品のような天然素材で出来たものは、メンテナンスをしっかりしていれば何十年と愛用出来ます。綿で出来ているデニムも同じです。「デニムを1日でも永く履いてもらいたい。」それが、私たちの願いであり、一生涯メンテナンス提供する職人として、お客様と関われたらと思います。