今回は、履きこんだジーンズをクラッチバッグにするリメイクの紹介です。
女性の方からの依頼でした。
「もう履かなくなったジーンズがあるので、それを使ってクラッチバッグを作ってほしい。それと、祖母が履いていたジーンズもあるんだけど、これも使えないかしら。少しでいいので使ってほしい」という依頼です。
今回は単純に言えば、デニム生地を使ったクラッチバッグの制作依頼でしたが、やはり想い入れのジーンズを託されたとあって、形を残しながらリメイクする方針で制作しました。オシャレで使いやすいデザインにすることはもちろんですが、愛着を持てるものであって欲しい思ったので。制作にも気合が入りますね。リメイクする醍醐味が詰まったご依頼です。
その他のご依頼条件は、ディスカッションを重ねて「A4サイズ、裏地とポケット付き、両面使えるリバーシブルタイプ、折り込みタイプ、スウェット生地のワンピースに合う感じで」などと大まかに方向性を決定。あとはおまかせで作業に入りました。
素材の紹介です。
ジーンズは、依頼女性がストレッチの12OZ、女性の祖母がストレッチの10OZと両方とも薄地のデニム。(OZオンスは生地を触った感じの、私の予想です。。。)
裏面の生地には、インドネシアで仕入れたイカット(絣生地)です。写真のように発色が良いイカットは珍しくて、おそらく最近のインドネシアのテキスタイルデザイナーがデザインしたものではないかと思っています。
裏地には、デニムと相性に良いブルーのストライプ柄のリネンです。
デザインの構想を練りながら、使えそうなパーツを1つ1つ解体していきます。
ポケットを外した跡でできるグラデーションの部分、擦れて薄くなってヒザ部分、裾近くの青が濃い部分、ゴムが入ってアタリが出たベルト部分などなど。。。経年変化で出来上がった個性あるデニムを、パッチワークで生地を1から造り直していきます。
ポケットは内ポケットに再利用。依頼女性と、女性の祖母のポケットを並べて。
ボタンは28mmの水牛ボタン、30mmのフランスのヴィンテージボタンを使用しています。ヴィンテージボタンはデザインの種類や素材が豊富で、商品に顔になる素材です。今回は岡山県でお店を営んでるANTONYMさんに、良いフランスのヴィンテージボタンを提供して頂きました。ありがとうございます!
クラッチバッグ自体がかなりカジュアル目なこともあって、ボタンはシックな物を選び、封筒のハトメ風仕様です。巻きつけるのが少し面倒かもしれませんが、それも愛着が沸くポイントなってくれればと思っています。
全体写真と完成図です。
以上の制作で、生地代や材料費含めて、工賃は23,000円です。
気に入ってもらえることを願うばかりです。