全体サイズ直し

デットストック、廃盤商品、想い出の品など
他には代えられない特別な1本を仕立て直す、全体サイズ直しを当店では提供しています。
ほぼ全てのパーツ解体し、パターンを再構成し一から組み直します。

はっきり言って、一から作ったほうが楽です。
解体は縫製よりも数倍時間がかかりますし、パーツの付け位置やサイズによって制限も多いです。
工賃が購入金額を上回ることもあります。

それでも「履きたい!」と言っていただければ、全力で対応します。
方法がなければ新しいアイデアを出します。
そんな気持ちで全体サイズ直しはご提供しております(笑)。

今回は難易度がかなり高かったJOE MCCOY 901の全体サイズ直しのご紹介です。

ジョーマッコイ901

いきなりですが完成画像です。
全く別物のジーンズに見えますね。
フロントボタンの数も調整しています。

・ウエスト -2cm
・ヒップ詰め -4cm
・股上詰め -4cm
・脚幅詰め(DENHAMサンプル参照)
・裾上げ
合計金額 ¥32.450-(税込)

今回は遠方からの依頼でしたので、
サンプルとなるDENHAMをご提供いただき、同じ形にして欲しいというご依頼でした。

両ブランドを知っている方はお気づきかもしれませんが、
はっきり言って無茶な注文でした(笑)。理由は対極にあるシルエットだからです。
補正ではなく、作り変えると言ったほうが正しいと思います。

バックシルエット、まずポケット位置です。
サイズ変更に伴って位置が偏りやすいのですが、バランスよく複数個所から削ることでバランスを保っています。

次に股上です。
股上はとてもデリケートな部分で
股上を詰めれば股下カーブがなくなり履き心地が悪くなる。
他に副作用として股上を詰めれば、ワタリも詰まる。
ワタリが詰まれば腿幅も詰まる。
といった具合に、単体で考えてはいけない部分です。

股下カーブの確保は特に重要なので、どんなラインで再構成するかいつも頭を悩ませます。
たとえばですが、今回はウエスト-2cm詰めです。
その際にどこから削るか選ぶのですが、ウエストをフロントから削ると(青いライン)股下カーブを確保しやすいです。
一方でウエストは他から削り、フロントはそのままラインを作成すると(赤いライン)股下カーブが浅くなります。
こうなると股下の運動量を確保できず、着心地が悪いものになってしまいます。

こんな感じで最適なシルエット模索していきます。
私個人は、着心地を重要視していますのでここは疎かに出来ません。
着心地が良いほうが、長く履けます。

・シルエットはそのままに、全体のサイズダウンをしたい。
・ウエストとヒップだけ詰めたい。
なども対応しています。
来店の場合は採寸をさせていただき、相談しながら決めていきます。

お困りの際はお気軽にご相談ください。

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